増築部分から雨漏りが起こる原因と修理対策
2025/09/01

「家を増築して部屋を広くしたはずなのに、数年後から雨漏りが始まった」
奈良市やその周辺地域でも、このようなご相談は少なくありません。増築は暮らしを快適にする手段ですが、既存の建物に新しい構造をつなぎ合わせるため、防水や雨仕舞(あまじまい)が複雑になりやすく、雨漏りのリスクが高まります。
特に奈良県は梅雨や台風による豪雨、内陸部でも吹き付ける強風など、年間を通して屋根や外壁に雨水の影響を受けやすい気候です。この記事では、増築部分から雨漏りが起こる原因、奈良で多い事例、放置によるリスク、そして修理や予防の方法まで詳しく解説します。
増築部分で雨漏りが起こりやすい理由

増築部分は、既存の建物に新しい構造をつなぎ合わせる必要があるため、どうしても「継ぎ目」や「境界」が生まれます。これらは建物の弱点となり、雨水が侵入しやすいポイントとなります。特に奈良市のように梅雨や台風など降雨量が多い地域では、そのリスクが高まります。
1. 接合部の複雑さが弱点になる
増築部分の雨漏りの大きな原因は、接合部の複雑さです。屋根や外壁の継ぎ目は完全に一体化しづらく、わずかな隙間からでも雨水が入り込んでしまいます。特に屋根と屋根が交わる「谷」部分や、外壁と屋根の取り合い部分は雨水が集中するため、しっかりとした雨仕舞が必要になります。
2. 雨仕舞・防水処理の難しさ
雨漏りを防ぐために重要なのが「雨仕舞(あまじまい)」です。これは雨水を効率よく排水するための施工技術を指します。谷部分や外壁と屋根の境目では、板金や防水シートを正しく重ねて施工する必要があります。しかし、ここで施工が甘いと、集中する雨水が内部に浸水し、短期間で雨漏りが発生してしまいます。
3. 施工不良や工期短縮による不備
残念ながら、一部の業者では工期を急いだりコストを削減するために、本来必要な防水処理を省略してしまうことがあります。板金や防水シートを重ねて施工すべき箇所を、コーキング材だけで塞いでしまうと、数年後には劣化してひび割れや剥がれが発生します。その結果、施工直後は問題がなくても、数年以内に雨漏りが再発するケースが奈良市内でも実際に見られます。
4. 屋根勾配や排水計画の不十分さ
設計段階での計画不足も雨漏りの原因になります。特に「屋根勾配」や「排水経路」の設定が甘いと、雨水がスムーズに流れず、滞留してしまうことがあります。雨水が溜まることで屋根材や防水層の劣化が早まり、やがて建物内部への浸水につながります。奈良市は盆地特有の気候で、ゲリラ豪雨のような強い雨が短時間で降ることも多いため、この勾配不足は致命的な弱点になりやすいのです。
奈良県で多い増築部分の雨漏り事例

奈良県内で実際に多く見られる雨漏りの事例を紹介します。
屋根と屋根の取り合い部からの浸水
増築時に新しい屋根と既存の屋根を接続すると、必ず「谷」と呼ばれる部分ができます。この谷は雨水が集中して流れるため、板金や防水シートの施工が甘いとすぐに浸水します。コーキングだけで処理されている場合も多く、長期的に見ると根本的な雨仕舞の見直しが必要です。
外壁と屋根の取り合いからの漏水
増築した外壁と既存屋根がぶつかる部分も雨漏りの発生源です。水切り板金などでしっかり保護する必要がありますが、施工不良や経年劣化で隙間が生じると、そこから雨水が外壁を伝って内部へ入り込みます。
バルコニーや下屋からの雨水逆流
1階に増築した下屋や2階のバルコニーは、勾配不足や排水不良によって水が溜まりやすい箇所です。奈良の梅雨や台風時には短時間で豪雨が降ることがあり、防水層に小さなひび割れがあるだけで一気に浸水する危険性があります。
窓やドア周りの開口部からの浸水
サッシまわりの防水テープやシーリング材が適切に施工されていない場合、壁内に水が入り込みます。施工直後は問題がなくても、数年後に劣化して雨漏りが発生する事例が奈良市内でも多く見られます。
増築部分からの雨漏りを放置するとどうなる?

増築部分の雨漏りを「小さな不具合だから」とそのままにしてしまうと、被害は想像以上に広がってしまいます。最初は小さな染み程度でも、時間が経つほど被害範囲は拡大し、結果的に修理費用や工事規模が大きく膨らむ危険があります。
屋根裏や壁内の木材腐食
雨漏りは目に見える場所だけでなく、屋根裏や壁の内部にもダメージを与えます。雨水が入り込むと木材が常に湿った状態になり、次第に腐食が進行。構造体そのものの強度が低下し、家全体の安全性に関わる重大な問題へと発展します。
カビの発生と断熱材の劣化
湿気がこもることで、屋根裏や壁内にはカビが発生します。カビは室内の空気環境を悪化させ、アレルギーや健康被害の原因となることもあります。また、断熱材が水を含んで劣化すると断熱性能が大きく低下し、夏は暑く冬は寒いという快適性の低い住環境になってしまいます。
シロアリ被害のリスク
湿った木材はシロアリの好む環境です。雨漏りによって柱や梁が湿気を帯びると、シロアリが発生しやすくなり、被害が広がれば建物全体の耐久性を大きく損ないます。奈良県は古い木造住宅も多いため、このリスクは決して軽視できません。
室内仕上げ材の汚損と美観の低下
室内では、クロスや天井ボードにシミができたり、変色や剥がれが進んだりします。見た目が悪くなるだけでなく、来客時の印象や日常生活の快適さにも影響します。さらに雨漏りの履歴が残ると、不動産売却時に評価額が下がるケースも珍しくありません。
修理費用の高額化
最も深刻なのは、修理費用が跳ね上がることです。初期段階であれば数万円の補修で済む場合でも、放置することで部分葺き替えや構造補強工事が必要となり、数百万円単位の大規模工事に発展することがあります。小さな雨漏りを「そのうち直せばいい」と放置することは、結果的に大きな出費を招くことになるのです。
増築部分の雨漏り修理方法

雨漏りが発生した場合は、状況に応じて適切な修理を行う必要があります。
応急処置
台風直後や被害が拡大しているときは、ブルーシートで屋根を覆ったり、シーリング材で一時的に隙間を塞いだりする応急処置が有効です。ただし、これらはあくまで一時しのぎにすぎず、早めの本格修理が不可欠です。
専門業者による本格修理
根本的な解決には、専門業者による調査と修理が必要です。雨漏り診断士が行う散水調査やサーモグラフィー調査で原因を特定し、そのうえで以下のような修理を行います。
・谷板金の交換や防水シートの張り替え
・外壁と屋根の接合部に水切り板金を追加
・バルコニーや下屋の勾配を調整し、排水を改善
・サッシまわりの防水処理をやり直し
奈良市でも「他社で修理したが再発した」というケースが多いため、根本原因を突き止めたうえで施工することが重要です。
修理だけでなく「予防」が大切
雨漏り修理はもちろん大切ですが、最も効果的なのは「予防」です。
増築工事を計画する段階で、雨仕舞を考慮した設計を行うことが何よりの対策になります。屋根勾配や排水経路を適切に設定することで、後のトラブルを未然に防げます。
また、定期的な点検も欠かせません。5年〜10年ごとに業者に点検を依頼すれば、コーキングの劣化や板金の浮きなど小さな異常を早期に発見できます。奈良の気候に合った屋根材や防水材を選ぶことも、長期的な安心につながります。
奈良市で増築部分の雨漏り修理を依頼するなら

業者選びを誤ると、修理後すぐに再発してしまう危険があります。奈良市で雨漏り修理を依頼するなら、次のような点に注目してください。
・雨漏り診断士が在籍しているか
・散水調査で原因を特定できるか
・奈良エリアでの施工実績が豊富か
・見積書が明細形式で、曖昧な「一式」表記が少ないか
・工事後の保証やアフターフォローがあるか
「雨もり屋 奈良店」では、これらすべてに対応しています。経験豊富な職人が散水調査を行い、これまで再発ゼロの実績を誇っています。さらに、ご近所への挨拶やマナーにも配慮し、工事後は最長10年保証と年1回の定期点検も実施しています。
まとめ
増築部分は既存の建物と新しい構造をつなぐため、どうしても雨漏りが起こりやすい弱点を抱えています。奈良市でも「屋根と屋根の取り合い」「外壁と屋根の接合部」「バルコニーやサッシ周り」からの雨漏り事例が多く見られます。放置すれば腐食やシロアリ被害を招き、修理費用は高額化します。
だからこそ、早めの点検と確実な修理、そして予防が大切です。奈良市で増築部分の雨漏り修理を検討している方は、雨漏り診断士が在籍し、再発ゼロ実績を持つ「雨もり屋 奈良店」にぜひご相談ください。地域密着の安心対応で、大切なお住まいを守ります。
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