アンテナの設置ミスが雨漏りの原因に？屋根周辺の注意点とは

2025/11/26

「アンテナを設置してから、天井にシミができた」「強い雨の日だけ、屋根裏が湿っている気がする」

そんな症状に心当たりはありませんか？

実は、屋根の雨漏り原因の中にはアンテナの設置ミスが関係しているケースが少なくありません。

テレビアンテナの固定金具や配線まわりの防水処理が不十分だと、そこから雨水が侵入してしまうのです。

奈良のように、台風や横殴りの雨が多い地域では、わずかな施工不良が大きな雨漏り被害へと発展することもあります。

この記事では、

• アンテナ設置が雨漏りを引き起こす理由
• 屋根構造から見た侵入の仕組み
• 奈良で注意すべき気候リスク
• 修理と再発防止のポイント

を、専門家の視点からわかりやすく解説します。

アンテナ設置が雨漏りを引き起こす理由とは？

屋根に穴を開けて金具を固定する構造がリスクに

テレビアンテナの多くは、屋根の頂上付近や棟（むね）のあたりに金具を取り付け、ポールを立てる「屋根馬（やねうま）型」や「支線（ステー）型」の設置方法が採用されています。

このとき、金具を屋根材に直接ビスやボルトで固定する必要があるため、必然的に屋根に小さな穴が開く構造となります。

この“わずかな穴”こそが、雨漏りの原因になるのです。

施工時に防水処理としてシーリング材（コーキング）が施されますが、屋根の上は常に紫外線・風雨・熱の影響を受け続ける過酷な環境。

数年も経つと、防水材が硬化してひび割れや剥離を起こし、そこから水が侵入してしまうのです。

一度でも雨水が金具の取り付け部から浸入すると、水は屋根材の下にある防水シートを伝って少しずつ広がり、やがて屋根裏の木材や断熱材を湿らせ、天井裏にシミをつくることにつながります。

特に奈良のように梅雨や台風の多い地域では、わずかなコーキングの劣化でも短期間で雨漏りに発展するリスクが高いのです。

小さな施工ミスが大きな雨漏り被害に

アンテナ設置時は、屋根の上での作業が多く、職人が足場を確保しづらい環境で行われます。

そのため、設置位置がわずかにズレたり、金具を強く締めすぎて屋根材を割ってしまうケースもあります。

また、施工者が屋根構造を十分に理解していない場合、防水層の重なりや勾配の流れを考慮せずにビスを打ち込むこともあり、結果的に雨水が排出されず、内部へと逆流する「雨水の通り道」を作ってしまうこともあるのです。

表面上は問題がなく見えても、ビスの下にある防水シートが傷ついていれば、その部分から少しずつ水が染み込み、数年後に天井の雨染みや木材腐食となって表面化します。

雨漏りは突然起こるものではなく、こうした見えない部分の劣化の積み重ねによって発生していることが多いのです。

見逃されやすい配線まわりの防水不良

さらに注意したいのが、アンテナの配線部分です。

アンテナから室内へケーブルを引き込む際、外壁や屋根に小さな貫通穴を設ける必要があります。

この部分の防水処理が甘いと、強風や横殴りの雨の際に水が吹き込んでくることがあります。

奈良のように台風時に横雨が強く吹き付ける地域では、こうした配線部からの侵入が多発しています。

ケーブルの差し込み口や防水キャップのわずかな隙間からでも、毛細管現象によって雨水が内部に吸い上げられ、気づかないうちに壁内部や天井裏へと広がってしまうこともあるのです。

アンテナ設置と屋根修理は別分野という落とし穴

ここで理解しておきたいのは、アンテナ工事業者＝屋根の専門家ではないという点です。

アンテナ設置を行う多くの業者は電波や配線の知識には長けていますが、屋根材や防水構造に関する知識を十分に持ち合わせていない場合があります。

そのため、屋根の勾配や雨仕舞（あまじまい：雨を排水するための設計）を考慮せずに金具を設置してしまい、結果として施工不良による雨漏りを招くケースが少なくありません。

アンテナは屋根の最も高い位置に設置されるため、一度雨水が侵入すれば下地から天井までダメージが及びます。

放置すれば構造材の腐食やカビの発生、シロアリ被害へとつながるおそれもあるのです。

屋根材の種類によって起こりやすいトラブルは異なる

アンテナ設置による雨漏りのリスクは、屋根材の種類や構造によって大きく異なります。

屋根の性質を理解せずに一律の施工を行うと、数年後に雨漏りや構造劣化を招く恐れがあります。

ここでは、代表的な3つの屋根材それぞれに見られる注意点を詳しく見ていきましょう。

瓦屋根の場合｜見た目より繊細な素材

日本家屋に多く使われる瓦屋根は、見た目以上に繊細な素材です。

アンテナの金具を固定する際に瓦を少しでも強く押さえたり、ドリルで穴を開けたりすると、瓦の割れやヒビを招くことがあります。

特に棟（むね）部分や漆喰（しっくい）まわりに設置するのは非常に危険です。

漆喰は防水と固定を兼ねた重要な役割を果たしており、そこに力が加わるとひび割れを起こし、雨水が内部の土や木材へ浸入してしまう可能性があります。

さらに、瓦屋根はもともと重い構造のため、アンテナ金具を固定する位置によってはバランスが崩れ、強風や地震で瓦がずれる原因にもなります。

奈良県のように突風が多い地域では、瓦屋根へのアンテナ設置は特に慎重さが求められます。

スレート屋根の場合｜防水シートへのダメージが致命的

スレート屋根（カラーベストやコロニアルなど）は軽量で施工しやすい反面、防水シートの劣化やビス穴からの浸水に弱いという特徴があります。

アンテナ設置の際にビスを打ち込むと、その下にあるルーフィング（防水シート）が破れてしまうことがあり、雨水が内部に回り込むと屋根裏の木材をじわじわと濡らしていきます。

スレート材自体は薄く吸水性があるため、雨水を吸うと膨張と収縮を繰り返し、ひび割れや層状剥離（そうじょうはくり）といった症状を引き起こします。

奈良のように夏は蒸し暑く、冬は冷え込みが厳しい地域では、この「熱膨張と凍結」のサイクルが劣化をさらに早めるため、スレート屋根ではアンテナ金具の防水処理を特に念入りに行う必要があります。

金属屋根の場合｜熱と風が最大の敵

近年主流となっているガルバリウム鋼板などの金属屋根は、軽量で耐久性が高い一方で、熱と風に対して非常に敏感な素材です。

日中の高温で金属が膨張し、夜間の冷え込みで収縮する。

この繰り返しによって、アンテナ金具を固定している部分のシーリングが切れたり、ビス穴が広がったりすることがあります。

また、金属屋根は音を伝えやすく、固定部の緩みがわずかでも風による「バタつき音」や、雨の振動で金具が揺れるなど、二次的なトラブルが発生することもあります。

強風にさらされる奈良の住宅では、特に金具周辺の補強板金やコーキングの定期チェックが重要です。

屋根裏・天井に現れる雨漏りのサイン

数年後に突然現れるケースも多い

アンテナ設置による雨漏りは、設置直後にすぐ起こるとは限りません。

少量の水が屋根内部に入り込み、数年かけて木材や断熱材を劣化させるケースが多く見られます。

最初は気づかなくても、

「天井にうっすらシミができてきた」「雨の日だけ室内がカビ臭い」

といった変化が現れたときには、すでに内部で雨水が広がっていることがあります。

代表的な症状チェックリスト

• 天井や壁の一部にシミができている
• 雨の後にテレビの映りが悪くなる
• 屋根裏がカビ臭い、湿気がこもる
• アンテナの取り付け部分の金具が錆びている

こうした症状がある場合は、アンテナ設置まわりの防水不良を疑いましょう。

原因を特定するには、屋根上だけでなく屋根裏・外壁の接合部まで調べることが重要です。

奈良の気候が雨漏りを悪化させる理由

強風・横殴りの雨が多い地域特性

奈良県は内陸部にありながら、台風や前線通過時に強風を伴う雨が降ることが多い地域です。

屋根上のアンテナは風を受けやすいため、台風シーズンには大きな負荷がかかります。

固定金具がわずかに緩むだけでも、その隙間に雨水が押し込まれるように侵入し、金具まわりから屋根内部へと伝って雨漏りを引き起こすことがあります。

寒暖差が大きい地域はシーリング劣化が早い

奈良の冬は冷え込みが厳しく、昼夜の温度差も大きいのが特徴です。

この寒暖差によって屋根材や金具が膨張・収縮を繰り返し、シーリング（防水材）に亀裂が生じやすくなります。

設置直後は問題がなくても、5〜10年ほどで防水性能が低下してくるのです。

定期点検を怠ると、知らないうちに内部まで水が浸透しているケースも少なくありません。

アンテナ設置による雨漏りを防ぐポイント

防水処理は屋根工事の知識がある業者に依頼を

アンテナ設置業者の中には、電波調整の技術には長けていても、屋根構造や防水施工の知識が十分でない業者もいます。

本来、防水施工は「屋根の専門知識」があって初めて正しく行えるものです。

雨もり屋 奈良店のように、屋根修理と雨漏り防止の両方に精通した業者であれば、金具まわりの防水コーキングや板金補強など、再発を防ぐための施工を行えます。

屋根に穴を開けない設置方法も選べる

近年では、屋根に直接穴を開けないアンテナ設置方法も増えています。

たとえば、

• 外壁に固定する「壁面設置」タイプ
• 屋根に金具を置くだけの「屋根馬設置」タイプ

これらは屋根材へのダメージが少なく、長期的に見ても雨漏りリスクを抑えられます。

特に、今後20年以上同じ家に住む予定がある場合は、屋根を傷つけない工法を選ぶのがおすすめです。

もし雨漏りが起きてしまったら？修理の流れと費用目安

まずは「原因特定」が最優先

雨漏り修理で最も重要なのは、「原因箇所を正確に突き止めること」です。

屋根表面を見ただけでは原因が分からないケースが多く、内部の浸水経路を確認するためには散水調査やサーモグラフィー調査が有効です。

雨もり屋 奈良店では、雨漏り診断士が現場を確認し、写真付きの報告書で原因を明示。

再発を防ぐための最適な修理方法をご提案しています。

修理内容と費用の目安

• 軽度のコーキング補修：1〜3万円前後
• アンテナ金具まわりの防水補修：3〜8万円前後
• 屋根板金や防水シート交換：10〜30万円前後

被害を長期間放置すると、下地木材や断熱材の交換が必要になり、費用が数倍に膨らむこともあります。

違和感を覚えたら、早めの点検が何よりの節約です。

奈良市で信頼できる修理業者を選ぶポイント

資格・実績を確認する

雨漏り修理は、建物構造を熟知していなければ正しく対応できません。

雨漏り診断士や一級建築板金技能士といった資格を持つ業者なら、再発防止を見据えた確実な施工が可能です。

保証・アフター点検があるかも重要

施工後の保証や定期点検の有無も、信頼できる業者を見極めるポイントです。

雨もり屋 奈良店では、最長10年の工事保証と年1回の無償定期点検を実施。

施工後のフォロー体制にも力を入れています。

まとめ

アンテナ設置による雨漏りは、たった数ミリの穴や緩みから始まることが多いです。

見えない部分のトラブルだからこそ、専門的な調査と確実な修理が欠かせません。

奈良市で「アンテナまわりの雨漏りが気になる」「屋根を点検してほしい」と感じたら、ぜひ雨漏り・屋根修理専門店の《雨もり屋 奈良店》にご相談ください。

経験豊富な雨漏り診断士が丁寧に現場を確認し、写真付き報告書で原因と最適な修繕プランをご説明いたします。

点検・お見積りは無料です。

放置せず、早めの相談で大切なお住まいを守りましょう。